ベースはFloyd–Steinbergディザリング。グレースケール画像を左上から走査し、各ピクセルを白か黒に丸めて、丸めたときの誤差(「本当は薄い灰色なのに真っ白にしてしまった」ぶん)を右と下の未処理ピクセルに配って埋め合わせる、古典的な手法だ。
そこにQRコードの制約を割り込ませる。QRのデータモジュールに当たる位置のピクセルは、画像の明るさに関係なくQRが要求する色で強制的に固定する。すると最大95%という大きな誤差が出るが、それもそのまま周囲のピクセルに拡散する。つまり「QRのせいで黒くなりすぎた」ぶんは周りが明るくなって帳尻を合わせ、遠目には元の写真に見え続ける。
QRコードには誤り訂正が組み込まれていて、モジュールの一部が壊れていても読める。この余裕を美観側に使い、スキャン可能性と画質のトレードオフをスライダーで調整できるジェネレータを著者は公開している。QRの回転角や符号化の選び方でも見え方が変わる。