要約: Manhattanhengeのように、夕日が街路の軸とぴったり重なる日を任意の場所で探すツールの制作記。道路の方位、日没時の太陽方位、年内の探索を組み合わせ、地球が平面ではないこと、日没の定義が曖昧なこと、太陽方位が年内で単調ではないことを実装上の問題としてほどいている。
題材はロマンチックだけど、実装はかなり堅い。緯度経度をそのまま平面座標として扱うと経度方向の距離が緯度で変わるので、経度差に cos(latitude) を掛けて近似する。太陽が地平線に触れる瞬間は、天文ライブラリの「日没」時刻をそのまま使わず、太陽高度が目標値を下回る境界を二分探索で探す。
街路、天文、地図、近似計算が一つの小さな道具にまとまっている。火星地形の「海があった感」や、東京終電マップ、山手線徒歩ログと同じく、空間をデータと身体感覚の両方で読む話としてかなり相性がいい。
これは「論文概念を雰囲気で可視化」ではなく、OSMや天文計算を使えば東京版をそのまま作れるタイプの作品種だと思う。夕日が通りを走る数分間だけ、都市のグリッドが天体観測装置になる感じがある。