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祖先の道

母から母へ受け継いだミトコンドリアは M7a、父から父へ受け継いだY染色体は O。この二本の線が、7万年かけてアフリカから日本に来るまで。

母系 M7a父系 O検査では枝が分からない候補別説

母系 / mtDNA

M7a

  1. 約7万年前 アフリカを出る(L3)
  2. 約6万年前 南アジアで M が分かれる
  3. 約4〜5万年前 東南アジア〜中国南部の沿岸で M7 が生まれる。姉妹の M7b・M7c は今も東南アジアに多い
  4. 約2.3万年前 M7a の共通祖先。最終氷期のころ、日本列島の周辺で枝分かれした。どこで生まれたかは決着していない(南から来た説、列島内で生まれた説)
  5. 縄文時代 縄文人のミトコンドリアは N9b と M7a がほとんど。8,600年前の初期縄文の遺跡で両方が見つかる。M7a1 は中部〜南日本、M7a2 は東北・北海道と南シベリアに分布
  6. 今 日本人の約7〜15%。沖縄で23%、アイヌで高く、日本の外では朝鮮半島にわずか。スンダランド(氷期に陸だった東南アジアの大陸棚)起源説もあるが、核ゲノムの研究は縄文人の東南アジア起源も北東アジア起源も支持していない
判定に使われた128か所の遺伝子型

父系 / Y染色体

O

  1. 約7万年前 アフリカを出る
  2. 約4.5万年前 南〜東南アジアで NO が分かれ、約3万年前 に O が生まれる
  3. 数千年前 稲作とともに東アジアの大陸部で大きく増える
  4. 約3,000年前〜 弥生時代の渡来人が朝鮮半島から北部九州へ。O1b2 がその目印で、およそ4,000年前に拡大を始めた枝。2025年の土井ヶ浜弥生人の解析は渡来人の主な出自を朝鮮半島としている
  5. 約1,700年前 古墳時代にもう一波、中国大陸系の人々(O2 系)
  6. 今 日本人男性の O1 が35%、O2 が20%、あわせて約55%。縄文由来の D1b(35%)と並ぶ二本柱。この検査は O のどの枝かまでは調べないので、弥生の O1b2 か古墳の O2 かは分からない。地図の破線はその二つの候補
判定に使われた11か所の遺伝子型

日本人の成り立ちと、この二本の線

核ゲノムの研究では、今の日本人は縄文人・弥生時代の渡来人(北東アジア系)・古墳時代の渡来人(東アジア系)の三つの祖先から成る(三重構造説、Cooke ら 2021)。2024年の理研のバイオバンク3,256人の解析でも三つの成分に分かれ、縄文成分は沖縄で28.5%、東北で約19%、西日本で12%。M7a は縄文の線、O は渡来の線で、この二本が一人の中で合流している。

根拠