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頭部MRI

2026年8月26日、新渡戸記念中野総合病院の脳ドックで撮った頭の中です。東芝 Titan 1.5T、13シリーズ 398枚。渡されたディスクの画像をそのまま置いています。DICOM: MRI_20260826_DICOM.zip

MRA 回転 3D で自由に回す →
水平断面
そのほか

シリーズごとの説明

MRA 回転 MR Angiography / MIP
MRA(Magnetic Resonance Angiography、磁気共鳴血管撮影)の3Dデータから、血管だけを抜き出して回して見る投影。MIP(Maximum Intensity Projection、最大値投影)という処理で、視線方向に並んだ画素のいちばん明るい値を1枚に押しつぶして作る。造影剤は使わず、流れている血液が明るく写るTOF法(Time-of-Flight)の3Dグラジエントエコー(GR)撮像。19方向×3セット。
「全体」は内頸動脈(ICA)・中大脳動脈(MCA)・前大脳動脈(ACA)・後大脳動脈(PCA)・椎骨動脈(VA)・脳底動脈(BA)がぜんぶ入った像を、側面から正面へ水平に回す。「上から」は頭頂側から見下ろした像で、真ん中に見える輪がウィリス動脈輪(circle of Willis)。「後方循環」は椎骨動脈と脳底動脈とその枝(後方循環、posterior circulation)だけを切り出したもの。
水平断面 axial / transverse
頭を足側から見た輪切り(軸位断、axial)、6mm厚を7.2mm間隔で22枚。撮像法(パルスシーケンス)を変えると同じ場所が違って写る。切り替えてもスライス位置はそのまま。
T2WI T2-weighted image / FSE
T2強調画像。横緩和時間T2の長い組織、つまり水(脳脊髄液、CSF)が白く写る。脳室と脳の表面の溝が白い。高速スピンエコー法(FSE、Fast Spin Echo)、TR 4650ms / TE 105ms。
FLAIR Fluid Attenuated Inversion Recovery
水抑制反転回復法。T2強調のまま脳脊髄液の信号だけを反転パルスで打ち消して黒くしたもの(反転時間 TI 2700ms)。脳室が黒いので、脳室のそばにある白質病変や古い梗塞、虚血性変化が目立つ。脳ドックで「白い点」を探す主役。TR 10000ms / TE 117ms。
T1WI T1-weighted image / SE
T1強調画像。縦緩和時間T1の短い組織が白く写り、脂肪が白く水が黒い。灰白質と白質の境目など解剖の形がよく出る。スピンエコー法(SE)、TR 595ms / TE 15ms、フリップ角70°。
T2*WI T2-star weighted image / FE
T2スター強調画像。磁場の乱れに敏感なグラジエントエコー(東芝の呼び方でFE、Field Echo)で撮る。古い出血の跡に残るヘモジデリン(鉄)や石灰化が黒い点として写るので、微小出血(microbleeds)を探す。TR 495ms / TE 13.5ms、フリップ角25°。
DWI Diffusion Weighted Imaging / SE-EPI
拡散強調画像。水分子の拡散(ブラウン運動)のしやすさを写す。拡散を強調する勾配磁場の強さを表すのがb値(b-value、単位 s/mm²)。「b=0」は勾配をかけていない参照画像でT2に近く見え、「b=1000」が拡散強調本体で、拡散が制限された場所(発症数時間以内の急性期脳梗塞など)が白く光る。IsoDWIは3方向にかけた拡散画像を合成した等方性(isotropic)画像。スピンエコー型エコープラナー法(SE-EPI)、TR 7100ms / TE 100ms、2回加算。
ADC Apparent Diffusion Coefficient map
見かけの拡散係数マップ。b=0とb=1000から画素ごとに計算した拡散係数を画像にしたもので、拡散しやすい脳脊髄液が白く、拡散が制限された場所が黒く出る。DWIで白く光ったものが本当に急性期梗塞かどうか(T2の影響、T2 shine-throughでないか)をここで確かめる。
MRA 元スライス 3D TOF source images
回転投影のもとになった3Dボリューム。1mm厚のスライスを0.5mm刻みで184枚(スライス位置 −46mm〜+45.5mm)。血管の断面が白い点になって流れていく。TR 25ms / TE 6.8ms、フリップ角18°、フローコンペンセーション(fc)つき。面内0.39mm/画素。
B-PAS Basi-Parallel Anatomical Scanning / FASE
脳幹と椎骨脳底動脈に平行な20mm厚の冠状断(coronal)を1枚だけ撮る、東芝発の撮像法。強いT2強調(TE 375ms)で脳脊髄液を白く、その中に浮かぶ脳幹と血管の外壁を黒く写す。MRAが血管の「内腔(血が流れている部分)」を写すのに対して、B-PASは血管の「外形」を写すので、両方を見比べて解離や狭窄の見立てをする。FASE(Fast Advanced Spin Echo)、TR 6000ms。2枚目は同じ画像の白黒反転。

撮像パラメータ

DICOMヘッダから。TR = 繰り返し時間(Repetition Time)、TE = エコー時間(Echo Time)、TI = 反転時間(Inversion Time)、FA = フリップ角(Flip Angle)、ETL = エコートレイン長、厚さ = スライス厚、画素 = 面内の画素サイズ。装置は東芝メディカルシステムズ Titan(1.5テスラ、共鳴周波数 63.8MHz)、受信コイルは Octave Head、頭から先に仰向けで入る(HFS、Head First Supine)。

#シリーズプロトコルシーケンス種別TR msTE msTI msFAETL厚さ mm間隔 mm画素 mm行列枚数時刻
5001MRA3DMRA (R-L)MRA3D6.8fc_sltGR / 3D256.818°11.00.50.391512×56418411:44:23
5004MRA3D MIPMRA (R-L)(5001から生成)DERIVED / 3D0.226768×7361911:56:23
5005MRA3D MIPMRA (R-L)(5001から生成)DERIVED / 3D0.264768×7361911:56:40
5006MRA3D MIPMRA (R-L)(5001から生成)DERIVED / 3D0.192768×7361911:57:52
6001DWI 0-1000AX DWISE_EPI100+1.0SE-EPI / 2D710010090°626.07.20.799288×2882211:50:14
6002DWI 0-1000IsoDWI(6001から生成, b=1000)DERIVED / ISODWI6.07.20.799288×2882211:52:20
6003DWI 0-1000IsoADC(6001から生成)DERIVED / ADC6.07.20.799288×2882211:52:22
7001T2WIAX T2WIFSE2D+15FSE / 2D465010590°136.07.20.496464×4642211:51:54
8001FLAIRAX FLAIRFSE2D+13FSE-IR / 2D10000117270090°176.07.20.846272×2722211:54:21
9001T1WIAX T1WISE15_HiCNRSE / 2D5951570°16.07.20.719320×3202211:57:37
10001T2*WIAX T2*WIFE_fcGR / 2D49513.525°16.07.20.719320×3202212:00:03
11001B-PASB-PASFASE+12.5_sltFASE / 2D600037590°4220.020.00.284704×704112:02:01
11002B-PASB-PAS(11001の反転)DERIVED / CALC20.020.00.284704×704112:04:21

撮影の順番は時刻の通りで、MRA(11:44) → DWI(11:50) → T2WI(11:51) → FLAIR(11:54) → T1WI(11:57) → T2*WI(12:00) → B-PAS(12:02)。装置に入ってから出るまでおよそ20分。水平断面の6シリーズはスライス位置(−79.2mm〜+72.0mm)が完全に同じなので、ビューアで撮像法を切り替えても同じ断面が出る。MIPやIsoDWI、ADCは撮影後に装置内で計算して作られた派生画像(DERIVED)。